AGAとは

男性型脱毛症はAGAと広く呼ばれていますが、AGAとはAndorogenetic Alppesiaの略称で、アンドロゲンホルモンによる脱毛症という意味になります。つまり、アンドロゲンホルモンが疾患の中心になっております。また、遺伝的な背景も関係していることが知られています。

髪にはヘアサイクルがあります。新しい毛が成長を始めると、正常の場合は約2年から6年の間に毛球が太く成長し続けた後に、毛球の退縮が始まり、約2週間で退化します。そのと、約2～3か月の休止期があり、再び成長が始まるというサイクルを繰り返します。男性型脱毛症ではヘアサイクルを繰り返す過程で、成長期が数ヶ月から1年程度に短くなってしまい，休止期にとどまる毛包が多くなります。

臨床的には前頭部や頭頂部の頭髪が，軟毛化（やわらかい産毛のようになる）して細く短くなり，最終的には頭髪が現れなくなってしまします。

男性ホルモン

男性ホルモンは骨や筋肉の発達を促し，髭や胸毛などの毛を濃くするように働き男性的な特徴に関与します。しかし、前頭部や頭頂部などの毛包では、男性ホルモンは軟毛化を引き起こしてしまいます．

前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞に運ばれたテストステロンは2型5αリダクターゼの働きにより，活性が高いジヒドロテストステロン（DHT）に変換されます。DHT が結合した男性ホルモン受容体はTGF-β やDKK1 などを誘導し毛母細胞の増殖が抑制され成長期が短縮することが報告されています。

フィナステリド内服

フィナステリドは5αリダクターゼの2型のみを阻害することで、男性型脱毛症の原因物質であるDHT産生を抑制します。前頭部と頭頂部にある5αリダクターゼは2型が主であるとされています。

フィナステリドの治療効果

効果発現までには個人差があり、効果を確認できるまでには半年くらい必要とされています。しかし、残念ながら効果が無い場合もあります。服用を中止すれば男性型脱毛症は進行してしまいます。 フィナステリドの場合、1年後に約40%の方で脱毛が止まり、約58%の方には増毛が見られ、3年後に約20%の方で脱毛が止まり、約78%の方には増毛が見られたとのデータがあります。

フィナステリドの副作用

比較的危険性は低い薬で、副作用の頻度は全体で4.0%と報告されています。最も多い副作用は性欲減退で1.1%です。それ以外に薬のアレルギー症状や勃起不全、射精障害、乳房肥大、肝機能障害などの報告があります。 性欲減退、勃起不全、射精障害については投与中止後も持続した例が報告されています。

精液への移行については、 海外のデータですが、反復内服した際に精液への移行は投与量の0.00076%以下と極めて微量です。その他に 薬剤を投与された患者で男性乳がんの報告がありますが、薬剤と男性乳がんの発現との関連性は不明です。

フィナステリドの使用上の注意

①妊婦が内服すると男子胎児の生殖器官等の発育に異常を起こす恐れがあるため、妊婦には絶対に服用させないでください。小児にも服用させないようにしてください。

②フィナステリドは錠剤ですが、皮膚から薬剤が吸収されますので、薬が割れた場合、 妊婦や妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性は触ってはいけませんので、ご注意下さい。割れていなければ触っても大丈夫です。

③この薬は元々前立腺肥大の薬なので、前立腺肥大や前立腺がんの検診などで行う血清前立腺特異抗原（PSA）という血液の検査の値を低下させます。PSA検査を受ける場合は検査を受ける施設でこの薬を内服していることをお伝えください。

④重大な副作用として、肝機能障害の記載があるので定期的な血液検査をお勧めしております。肝臓が悪い人、悪かった人は診察時にお申し出ください。

フィナステリド1㎎　（ジェネリック）内服薬
初回     　28日分(シート)　（診察料・薬剤料込み）	6,600円
２回目以降  28日分(シート) （診察料・薬剤料込み）	5,500円
２回目以降  56日分(シート)（診察料・薬剤料込み）	11,000円
２回目以降  84日分(シート)（診察料・薬剤料込み）	16,500円

デュタステリド内服

デュタステリドは5αリダクターゼ1型と2型の両方を阻害することで、男性型脱毛症の原因物質であるDHT産生を抑制します。DHT産生を抑える効果はフィナステリドより強いですが、その分副作用が出る可能性が高くなります。通常、フィナステリドで効果が不十分な場合に使用を考慮します。

デュタステリドの治療効果

効果発現までには個人差があり、効果を確認できるまでには半年くらい必要とされています。しかし残念ながら効果が無い場合もありますし、服用を中止すればまた進行します。デュタステリド0.5㎎内服はフィナステリド1㎎内服の1.6倍の発毛本数が多いと報告され、フィナステリド1㎎を6か月投与し効果が不十分な患者に、デュタステリド0.5㎎を投与した結果77.4％の患者さんに対して効果が認めら他と報告されています。

デュタステリドの副作用

副作用の頻度はフィナステリドよりも多く11.7～16.7%です。性欲減退が5.8～8.3%、勃起不全5.0～11.7％、射精障害1.7～5.0％、その他に、アレルギー症状、乳房肥大、肝機能障害、頭痛、抑うつ気分、腹部不快感などの報告があります。性欲減退、勃起不全、射精障害については投与中止後も持続した例が報告されています。 また、総精子数、精液量及び精子運動率に減少傾向が見られますので、今後お子様を望まれる方はデュタステリドの内服は避けたほうが良いと考えます。男性乳癌の報告もありますが、薬剤との関連性は不明です。前立性癌を発症する可能性の高い男性を対象とした臨床試験でデュタステリドを服用した男性は服用しなかった男性と比べて悪性度の高い前立腺癌の発現頻度が高かったという報告があります。

デュタステリドの使用上の注意

①妊婦が内服すると男子胎児の生殖器官等の発育に異常を起こす恐れがあるため、妊婦には絶対に服用させないでください。小児にも服用させないようにしてください。

②デュタステリドは錠剤ですが、皮膚から薬剤が吸収されますので、薬が割れた場合、 妊婦や妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性は触ってはいけませんので、ご注意下さい。割れていなければ触っても大丈夫です。

③この薬は元々前立腺肥大の薬で、前立腺肥大や前立腺がんの検診などで行う血清前立腺特異抗原（PSA）という血液の検査の値を低下させますので、PSA検査を受ける場合は検査を受ける施設でこの薬を内服していることをお伝えください。

④重大な副作用として、肝機能障害の記載があるので定期的な血液検査をお勧めしております。肝臓が悪い人、悪かった人は診察時にお申し出ください。

デュタステリド0.5㎎（ジェネリック）内服薬
初回     　30日分(シート)　（診察料・薬剤料込み）	7,700円
２回目以降  30日分(シート) （診察料・薬剤料込み）	6,600円
２回目以降  60日分(シート)（診察料・薬剤料込み）	13,200円
２回目以降  90日分(シート)（診察料・薬剤料込み）	19,800円

ヴェラルティスVL07ローション

ヴェラルティスVL07ローションは７％ミノキシジルを配合した外用薬で。発毛因子の生産を促進することで、毛母細胞・毛乳頭細胞の増殖を促し、毛包の退縮を抑制します。

有効成分

7％ミノキシジル

発毛因子の生産を促進することで、毛母細胞・毛乳頭細胞の増殖を促し、毛包の退縮を抑制します。AGAガイドライン2017では「推奨度：A(行うよう強く勧める)」となっています。

 アデノシン

AGAガイドラインでは、「推奨度：C1（行ってもよい）」とされています。

プロシアニジンB2

プロシアニジンB2は抗酸化作用があり、ミノキシジルの肌荒れを防ぐ役割を担います。

 プロキャピルブレンド

プロキャピルブレンドの配合により頭皮の皮膚炎といった副作用が軽減されます。

ヴェラルティスVL07ローションの使用方法

1日2回、付属のポンプを使う場合は1回につき5回プッシュの容量(約1ml)を使用します。専用のスポイトを使うことでより細かく塗布することもできます。特に抜け毛や薄毛の気になる部分である頭皮の毛穴に浸透するようにまんべんなく約2分～4分程度マッサージします。終わったら手を洗って下さい。薬剤塗布後、4時間以上、放置して下さい。

指示した使用量以上の塗布を行っても、効果が強く得られることはありません。

ヴェラルティスVL07ローション　容量：60ml （約1ヶ月分）

8,800円