立ち耳
立ち耳とは
立ち耳は、耳の「対耳輪」という折れ曲がりの部分でその折れ曲がりが弱く、耳が立ってしまう状態のことを言います。一定数患者さんはいらっしゃるとは考えますが、あまり気にされない方も多いので、診察する機会は少ない印象はあります。耳の機能としては特に問題ないのですが、見た目を気にされる場合は治療の対象とは考えております。
立ち耳の矯正治療
新生児期であれば、耳の後ろからテーピングすることである程度矯正できると考えています。お子様のお耳の状態に合わせ、最適なテーピング方法を院長が提案・指導させていただきます。生後できるだけ早く矯正治療を開始する方が効果的と考えますので、できるだけ早い受診をお勧めします。矯正治療は基本的に診察料のみで、特別なお値段は頂いておりません。使用する医療用テープは近隣の薬局で購入していただきます。
立ち耳の手術治療
さまざまな理由で矯正治療が難しい場合や、ある程度耳が成長してしまって矯正困難な場合は、手術により耳の形を整えることを考慮します。見た目の改善だけが目的であれば、自費診療での手術が行われることもありますが、立ち耳が原因で眼鏡がかけられない場合や、マスクがすぐ取れてしまうなどの日常生活に支障をきたす場合には保険適応で治療が可能です。大人の場合は局所麻酔での日帰り手術が当院で可能ですが、小学生までのお子様の場合は全身麻酔が必要となりますので、適切な医療機関をご紹介させていただきます。
①診察と診断
医師による診察を行い最適な手術方法をご提案いたします。日帰り手術の日程を決めます。手術を安全に行ことができるか確認のため採血検査も行います。
②麻酔
手術は局所麻酔で行います。できるだけ細い針で耳の後ろに局所麻酔薬を注入し局所麻酔を行います。麻酔の薬がしっかり効くと痛みの感覚はなくなりますが、触られている感覚や引っ張られている感覚は手術中も少し残る場合があります。
③手術
麻酔がしっかり効いたことをしっかり確認してから耳の後ろ側から手術を開始します。耳の軟骨を剥離し、状況に応じて軟骨を折れ曲がりやすくするためにスリット(筋)を入れたり、軟骨を部分的に切除する場合もあります。耳の立ち上がりを見ながら、軟骨を糸で固定します。しっかり止血を確認してい皮膚の縫合も行います。手術時間は片耳で約30分程度です。傷跡は耳の後側だけで傷跡は比較的目立ちにくいです。場合によっては、特殊なガーゼを1週間程度糸で固定する場合もあります。
④術後
手術当日は術後出血しないようにガーゼを圧迫してテープ固定します。手術当日はお風呂・シャワー・サウナ、激しい運動、飲酒は出血しやすくなったり傷の腫れを強くするので避けてください。基本的には翌日にガーゼをはずして,入浴・洗髪可能です。手術して1週間程度で抜糸を行います。
耳介形成手術(耳介軟骨形成を要するもの)の費用
マスクやメガネがかけられないなどの機能的に問題がある場合は保険適応となります。 形のみが問題である場合は自費診療になります。
耳介形成手術(耳介軟骨形成を要するもの) |
手術費用 |
片耳(保険適応) |
60,000円程度(保険適応3割負担) |
両耳(保険適応) |
120,000円程度(保険適応3割負担) |
片耳(美容目的:自費診療) |
192,400円(保険適応なし10割負担) |
両耳(美容目的:自費診療) |
384,800円(保険適応なし10割負担) |
※保険診療の場合「高額療養費」制度が使用可能です。
医療機関等の窓口でのお支払いが高額な負担となった場合は、あとから申請いただくことにより自己負担限度額を超えた額が払い戻される「高額療養費制度」があります。
しかし、あとから払い戻されるとはいえ、一時的な支払いは大きな負担になります
副作用・リスク
腫れ・内出血:1~2週間
瘢痕・感染・左右差のリスク