粉瘤
粉瘤とは
いわゆる「おでき」です。皮膚の表面にある上皮という成分が皮膚の内や皮膚の下に潜り込んで袋状のできものを作ります。袋の中に皮膚から出てくる垢や脂が貯まってしまい、塊として皮膚の下で触れるようになります。皮膚からできるので体中の何処にでも出来る良性の皮下腫瘍です。俗に『脂肪の固まり』などといわれていますが、脂肪腫とは異なるものです。真ん中にやや黒っぽい入口部が見られることもあります。特有の臭いがある場合もあります。痛みが出て炎症を起こす場合もあります。炎症が強くなり化膿してしまうと感染性粉瘤となってしまいます。膿を出すために切開排膿という処置が必要になる場合もあります。
よく聞かれるのですが、原因は、判らない場合が多いです。打撲や外傷などの後に起こる場合やニキビの跡にできることもあります。
治療法
感染のない場合は手術で摘出します。腫瘍の直径よりやや小さいか同じくらいの長さで入口部を含めて紡錘形(木の葉型)に皮膚を切開して粉瘤の袋を摘出します。腫瘍の大きさや、できた場所、感染を起こしたことがあったかなどを総合的に判断して最も傷跡がきれいになるように手術を行っています。
粉瘤治療の流れ
①診察と診断
医師による診察を行い腫瘍が粉瘤かどうかを確認します。日帰り手術の日程を決めます。手術を安全に行うために採血検査を行う場合もあります。
②麻酔
手術は局所麻酔で行います。できるだけ細い針で粉瘤の周りに局所麻酔薬を注入し局所麻酔を行います。麻酔の薬がしっかり効くと痛みの感覚はなくなりますが、触られている感覚や引っ張られている感覚は手術中も少し残る場合があります。
③粉瘤切除手術
麻酔がしっかり効いたことをしっかり確認してから手術を開始します。できるだけ小さい傷で取り残しを無いように注意して行います。しっかりと血が止まったことを確認して傷口を糸で縫合して手術を終了します。粉瘤が大きい場合は傷口に血がたまらないようにビニール製のドレーン(血抜きの管)を使用する場合もあります。手術の時間は粉瘤の大きさにもよりますが約15分から20分前後です。
④術後
手術当日は術後出血しないようにガーゼを圧迫してテープ固定します。手術当日はお風呂・シャワー・サウナ、激しい運動、飲酒は出血しやすくなったり傷の腫れを強くするので避けてください。手術して1週間程度で抜糸を行います。
粉瘤切除の費用
粉瘤の手術は保険適応となります。 粉瘤のある部位や大きさによって手術費用が前後いたします。悪性の腫瘍が存在する可能性を疑う場合は病理検査も行っております。
露出部の場合
「露出部」とは、頭、顔、首、肘から先、膝から下を指します。
粉瘤の大きさ |
手術費用 (保険適応3割負担) |
2cm未満 |
5,000~6,000円程度 |
2~4cm未満 |
11,000~12,000円程度 |
4cm以上 |
15,000円程度 |
露出部以外の場合
粉瘤の大きさ |
手術費用(保険適応3割負担) |
3cm未満 |
4,000〜5,000円程度 |
3~6cm未満 |
10,000〜11,000円程度 |
6~12cm未満 |
12,000〜14,000円程度 |
12cm以上 |
25,000円程度 |
※手術費用とは別に、診察料・処方料で1,000円程度、検査費用で1,000円程度、病理検査費用で3,000円程度かかります。