稗粒腫
稗粒腫とは
稗粒腫(はいりゅうしゅ・ひりゅうしゅ)とは、1~2mmほどのかたく白色をしたできものですです。見た目が植物の稗(ひえ)に似ていることが、名前の由来といわれています。
稗粒腫は良性のできもので目元、頬、眉間、ひたい、あごを中心にできます。中身は古い角質です。何らかの原因で毛穴の表面の皮膚が中に入りこみ、古い角質がかたまりとなって、稗粒腫を形成します。
稗粒腫に似た疾患
稗粒腫によく似た疾患はいくつかあります。白ニキビ、汗管腫、エクリン汗孔腫、疣贅、脂漏性角化症、皮膚線維腫などが挙げられます。それぞれが混在している場合もあります。対応方法や治療方法が異なります。
稗粒腫の治療
おもな治療法は、「圧出法」と呼ばれる方法で、保険診療となります。注射針などを使って、稗粒腫の皮膚の中にたまった角質のかたまりを外に出します。再発してしまうことがありますがまずは有効な治療であると考えます。
稗粒腫の摘除を行う場合、説明の上、同意書をいただいてから行っております。未成年の場合は必ず保護者の方と同伴で来院お願いいたします。
稗粒腫摘除の費用
稗粒腫摘除は保険適応となります。 稗粒腫の個数により費用が前後いたします。
稗粒腫の数 |
処置費用 (保険適応3割負担) |
10個未満 |
220円程度 |
10個以上 |
450円程度 |
※処置費用とは別に診察料がかかります。
稗粒腫「圧出法」について
①注射針で稗粒種の上の皮膚に穴をあけます。
②ピンセットで稗物腫を押し出します。
摘除前
摘除直後
一時的に赤みや出血の跡がありますが改善していきます。
③出血がない場合は特に絆創膏もしませんが、血がにじむ場合は絆創膏を貼ります。
④当日、入浴、洗顔していただいて問題ありません。
稗粒腫「圧出法」の注意点
・当院では処置の際に特に麻酔を行いませんので、少し痛みを伴います。まずは1か所処置し、痛みの程度をみながら処置していきます。
・痛みが我慢できない場合や、痛みで顔を大きく動かしてしまう場合も摘除できません。
・ピンセットでつまめないような小さすぎる稗粒種は、圧出できない可能性があります。
・数が多い場合は何度かに分けて処置する必要があります。
・皮膚が硬すぎる、皮膚が柔らかすぎる場合などの理由で稗粒種がうまく圧出できない場合があります。
・稗粒腫ではなく「汗管腫」という別のできものである可能性があります。
・稗粒腫をとった後に血がたまり一時的に黒くなる場合があります。自然に吸収されますので問題ありません。
・圧出法についての説明のうえ同意書に必ずサインいただいてから処置させていただいております。
・未成年の場合は必ず保護者とご説明し、保護者の同意も必要です。
・稗粒種は幼児や小学生にも発生することがあります。ただし、若年者の場合、自然に排出されることが多いため、当院では12歳以下の方やじっとしていられない方への圧出は行っていません。たとえ保護者の方が希望されても、お子さんの場合、暴れることで眼球や顔面の重要な組織を傷つけるリスクがあるため、当院では摘除を行っていません。