異所性蒙古斑
生まれたての赤ちゃんのおしりや腰の青あざを「蒙古斑」といいます。日本人のおしりにはほぼ90%以上存在すると言われている青あざです。おしりの青あざであれば、ほとんどの人で6~7歳頃までに自然消退するので、問題になることはありません。
異所性蒙古斑はおしりや腰以外にできる蒙古斑で、自然に消える可能性は少ないと言われています。多発性(たくさんできている)のもの、大きいもの(10cm以上)、色の濃いものは残りやすいと言われています。色の濃い異所性蒙古斑や衣服に隠れない露出部などにあり目立つ場合は治療の対象になることもあります。
治療法
治療法は現在ではアレキサンドライトレーザーやQスイッチルビーレーザーにて保険治療が可能です。当院ではナノスターRというQスイッチルビーレーザーで治療いたします。
繰り返し治療をおこなうことで改善が見込めます。通常半年に1度のレーザー治療を繰り返し行います。小児のほうが成人よりも少ない回数で治療が可能です。
レーザー照射を行った部位は一旦カサブタになります。7日から10日ほどカサブタになりますので、その部位をワセリンガーゼなどで保護します。異所性蒙古斑の色素は真皮深くにあるので、一般的なシミのレーザー後のようにカサブタが取れたらきれいになるわけではありません。レーザー照射により、いったん細胞外に放出されたメラニン色素をマクロファージという免疫細胞が除去してくれるのを待つ必要があります。そのため、1回のレーザー照射後に薄くなるという治療効果を実感できるまで、1~2か月かかり、レーザーの効果が完全に確認できるのに半年かかります。そのためにレーザーの照射間隔を半年にしています。
料金
保険適応となります
J054-2 皮膚レーザー照射療法(一連につき) 2. Qスイッチ付レーザー照射療法 |
3割負担の場合 |
4平方センチメートル未満 |
6,000円 |
4平方センチメートル以上16平方センチメートル未満 |
7,110円 |
16平方センチメートル以上64平方センチメートル未満 |
8,700円 |
64平方センチメートル以上 |
11,850円 |
よくあるQ&A
Q治療は痛いですか?
A異所性蒙古斑の場合、皮膚の深い部分に色素があるので、一般的なシミのレーザー治療よりも弾かれるような痛みがあります。麻酔のクリーム外用や、注射による局所麻酔・神経ブロックを用いてからレーザーを照射した方が良いと考えます。
Q 1回の治療にどれくらい時間がかかりますか?
A範囲にもよりますが、レーザー照射自体は数分で終わります。
麻酔のクリームを使用した場合、麻酔が効いてくるのに1時間くらい待ちますので、その分、時間がかかることになります。