感染性粉瘤
腫れて痛む皮膚の「できもの」について
皮膚にできた「しこり」や「できもの」が赤く腫れて痛みを伴う場合、粉瘤(アテローマ)などの皮膚腫瘤が炎症を起こしている可能性があります。膿がたまると、いわゆる「おでき」のように見えることもあります。
腫れて痛む「できもの」は、原因や経過、炎症の程度によって治療方法が異なるため、実際に診察を行わないと診断できない場合があります。
このページでは、感染性粉瘤(炎症性粉瘤)の症状や一般的な治療の考え方についてご説明します。個別の治療方針については、診察のうえで医師がご案内いたします。
感染性粉瘤とは
粉瘤は皮膚の一部(上皮)が皮膚の下にもぐり込み、袋状になって皮脂などがたまってできる良性の腫瘤です。通常は痛みのないしこりとして経過しますが、細菌感染などにより赤く腫れて強い痛みを伴うことがあります。
炎症が強くなり膿がたまった状態を「感染性(炎症性)粉瘤」と言います。「グリグリしたしこり」「腫れて痛いできもの」と表現されることもあります。
治療法
🔹 軽症の場合
抗生剤の内服などで炎症を抑える治療から開始することがあります。症状や経過を見ながら治療方針を判断します。
🔹 膿がたまっている場合
炎症が強く膿がたまっている場合には、内服薬のみでの改善が難しいことが多く、切開排膿が必要になります。
当院では、局所麻酔で痛みを十分に抑えたうえで、小さく皮膚を切開し、内部の膿を排出する処置(切開排膿)を行います。
一般的な方法として、切開した部位にガーゼを挿入し、毎日交換を行うことがありますが、この交換処置は痛みを伴う場合があります。
そのため当院では、痛みの負担を軽減する目的で、柔らかいシリコン製の排液チューブ(ペンローズドレーン)を挿入し、皮膚に固定する方法を採用しています。
ドレーンに沿って膿が自然に排出されるため、毎日のタンポンガーゼ交換は原則として必要ありません。
炎症の程度にもよりますが、ペンローズドレーンは通常1週間程度で抜去し、その後は自然治癒を見守ります。
通院回数や経過には個人差がありますが、できるだけ患者さんの負担が少なくなるよう配慮しています。強い痛みや腫れでお困りの場合は、まずはご相談ください。
皮膚切開術の費用
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皮膚切開術 |
手術費用 (保険適応3割負担) |
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10㎝未満 |
2000~2100円程度 |
※手術費用とは別に、診察料・処方料で1,000円程度かかります。
感染性粉瘤の切開排膿の治療実績について
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2023年:69件
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2024年:65件
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2025年:46件
※受診された時点での炎症の程度や体調、混雑状況によっては、当日対応が難しい場合や、高次医療機関をご紹介することがあります。
再発予防のために
感染した粉瘤に対して切開排膿を行うと、痛みや腫れは改善しますが、粉瘤の袋そのもの(被膜)は体内に残ります。そのため、炎症が落ち着いてから1〜2ヶ月後を目安に、粉瘤全体を袋ごと切除する手術(摘出術)を行うことが望ましいです。摘出術では、皮膚を切開して袋ごと摘出し、皮膚を縫合します。抜糸は通常1週間前後で行います。
再発を防ぐためにも、炎症がない状態での切除が重要です。手術するかどうかや、手術時期については、症状に応じて相談しながら決めていきます。
