水いぼ治療薬「ワイキャンス」(保険診療)は当院では取り扱っておりません。
みなさまこんにちは、たしま皮フ科形成外科の田島宏樹です。
水いぼ(伝染性軟属腫)の治療薬として、「ワイキャンス(一般名:カンタリジン外用液)」という新しい外用薬が、日本でも保険診療として2026年2月より販売開始となりました。
ワイキャンスは、水いぼに薬剤を塗布し、水疱(みずぶくれ)を形成させることで病変を治療していく外用薬で、従来のピンセットによる摘除や経過観察とは異なる、新しい治療選択肢として注目されています。
一方で、この薬は作用の性質上、治療後に赤みやびらんなどの皮膚反応が生じることがあり、色調の変化や皮膚の変化がみられる可能性も知られています。添付文書にもこれらの反応が記載されており、治療後の肌の状態については一定の注意が必要な薬剤といえます。
私は形成外科医として、患者さんの皮膚に不要な変化を残さないことを大切に診療を行っています。水いぼを単に「治す」ことだけでなく、治療後の肌の状態も含めて考えることが重要だと考えています。特にお子さまの場合は、成長とともに皮膚が変化していくため、将来の肌の状態を見据えた治療選択が必要になることもあります。
こうした考えから、当院では現時点ではワイキャンスの採用は行っておりません。水いぼを「治す」だけでなく、「肌の状態を大切にしながら治療する」という当院の診療方針に基づいた判断です。
当院では、水いぼの治療として、まずは経過観察を行い、自然に脱落するのを待つ方法を基本としています。範囲が限られている場合には、麻酔テープを使用したうえでの摘除を行うこともあります。また、自費診療にはなりますが、水いぼクリーム(MBFクリーム)による治療という選択肢もあります。患者さん一人ひとりの年齢や皮膚の状態、生活環境を踏まえ、無理のない方法をご相談しながら進めていきます。
