メニュー

受診されていない方に関するご相談についてのお願い

[2025.08.05]

みなさまこんにちは。院長の田島宏樹です。

診察中に、ご家族やご友人に付き添って来られた方から「ついでに少しだけ相談してもいいですか?」というご要望をいただくことがあります。

たとえば、「家で子どもの肌が赤くなっているのですが写真を見てほしい」とか、「夫が湿疹で困っているんですが、この薬でいいでしょうか」といったご相談です。

心配されているお気持ちは、医師としても十分に理解しています。
特に病院の予約が取りづらく、受診にも時間がかかる現状では、「今ついでに聞いておきたい」と思われるのも当然のことです。

私自身も、短時間で済むような簡単な内容であれば、一般的な助言をお伝えすることもあります。
しかしながら、「診察は本人に対して正規の方法で行う」ことが医療の原則であり、これは全ての患者さんに対して公平な医療を提供するために必要なルールです。

◆「ついでの相談」が生む不公平

診察室では、「よく質問できる方」と「遠慮して聞けない方」がいらっしゃいます。
もし“ついで相談”をすべて受けてしまえば、気軽に話せる性格の方だけが得をして、控えめな方が不利益を受けることになります。

また、「診察は時間と費用が発生する医療行為」であり、付き添いの方の相談に応じることは、本来の診察の枠を越えることになります。
これは、他の予約患者さんの診察時間を圧迫することにもつながってしまいます。

◆「ちょっと見て」は本当に“ちょっと”では済みません

皮膚疾患は一見似ている症状でも、原因や必要な治療がまったく異なることがあります。
色や形だけで判断がつかないケースも多く、触診や詳しい問診、時には検査が必要な場合もあります。

写真だけではかなりの確率で見落としが生じたり、誤った判断に結びついたりするリスクがあります。
「ちょっと見てほしい」というお気持ちにその場で応じてしまうことで、結果的にその方の診療機会を損ねることにもなりかねません。

◆ 医療の原則を大切にしたいです

当院では「どんな方にも、等しく医療を提供したい」と考えています。

だからこそ、診察は原則としてご本人に正規の方法で受診していただくようお願いしております。
それが、ご本人にとっても最も適切で安心納得できる診療につながると信じているからです。

ご家族やご友人の症状でご心配なことがある場合は、どうかご本人が直接ご受診いただけますようお願いいたします。

皆さまのご理解とご協力を、心よりお願い申し上げます。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME