太田母斑
太田母斑は青あざの一種で、青褐色のあざが顔の右左の片側に認められます。好発部位としては目の周り、額部、頬部、こめかみ部などです。
日本人の場合、約1000人に1人か2人の割合で認められます。
1歳までに発症する早発型の割合が多いですが、思春期に発症する遅発型もあります。
女性に多く、太田母斑は女性の患者さんの割合が多く80%程度を占めます。
治療法
治療法は現在ではアレキサンドライトレーザーやQスイッチルビーレーザーにて保険治療が可能です。当院ではナノスターRというQスイッチルビーレーザーで治療いたします。
初回から数回目までの治療中は炎症のため色調が濃くなる時期がありますが、繰り返し治療をおこなうことで改善が見込めます。通常3~5か月に1度のレーザー治療を繰り返し行います。
レーザー照射を行った部位は一旦カサブタになります。7日から10日ほどカサブタになりますので、その部位をガーゼなどで保護します。太田母斑の色素は真皮深くにあるので、一般的なシミのレーザー後のようにカサブタが取れたらきれいになるわけではありません。レーザー照射により、いったん細胞外に放出されたメラニン色素をマクロファージという免疫細胞が除去してくれるのを待つ必要があります。そのため、1回のレーザー照射後に薄くなるという治療効果を実感できるまで、1~2か月かかります。
料金
保険適応です。
J054-2 皮膚レーザー照射療法(一連につき) 2. Qスイッチ付レーザー照射療法 |
3割負担の場合 |
4平方センチメートル未満 |
6,000円 |
4平方センチメートル以上16平方センチメートル未満 |
7,110円 |
16平方センチメートル以上64平方センチメートル未満 |
8,700円 |
64平方センチメートル以上 |
11,850円 |
よくある質問
Q治療は痛いですか?
A太田母斑の場合、皮膚の深い部分に色素があるので、一般的なシミのレーザー治療よりも弾かれるような痛みがあります。麻酔のクリーム外用や、注射による局所麻酔・神経ブロックを用いてからレーザーを照射した方が良いと考えます。
Q何歳から治療できますか?
レーザー治療には強いゴムで弾かれたような痛みをともなうので、小児ではあばれて、レーザー光線が目に入ると失明する危険性があります。従って小児期にレーザー治療を行う場合は、全身麻酔を受ける必要があります。小児で治療希望される場合は、全身麻酔下にレーザー治療を行える病院に紹介させていただきます。
Q 1回の治療にどれくらい時間がかかりますか?
A範囲にもよりますが、レーザー照射自体は数分で終わります。
麻酔のクリームを使用した場合、麻酔が効いてくるのに1時間くらい待ちますので、その分、時間がかかることになります。